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日本でも人気の、あのバッグがランドセルの定番日本でも人気の、
あのバッグがランドセルの定番

スウェーデンの小学校にはランドセルのような規定のバッグがないため、子どもたちは自分の好きなバッグを通学に使用します。ライフスタイルの多様化とともに通学用バッグも様々になってきていますが、以前はきつねマークでおなじみの国民的ブランド〈Fjällräven(フェールラーベン)〉の「Kånken(カンケン)」というリュックが通学バッグとして人気で、どこの家庭も必ずひとつは持っていたとか。今もそのリュックを背負う子どもの姿を街中でよく見かけることができます。写真のヨーテボリに住むナタニエルくんも、お気に入りの「Kånken」を背負ってキックボードというのが定番の通学スタイルだそう。

スウェーデンでは「9歳までは1人で外出をしてはいけないし、家にいてもいけない」という規則があるため、9歳以下の子どもたちは親が付き添って登下校をすることになっています。ストックホルムやヨーテボリなど都市部の場合、通学には歩き、遠方の場合はバスや地下鉄を利用する家庭がほとんど。制服や帽子などもなく、それぞれが普段の日常着で登校をしています。基本的に日本のように身なりや持ち物への規則はほとんどなく、その自由度は日本人には信じられないほど。例えばキックボードに乗って通学したり、おもちゃを持っていったり、低学年のうちから髪の毛をグリーンやピンクに染めたりピアスをあけたり、マニュキアを塗っている子どもいたりします。

学校生活では、いじめをしない、クラスメイトをリスペクトするという道徳的なルールをとても重視している学校が多いスウェーデン。最低限の道徳やルールを守って学校生活を送っているのであれば、身なりなどは子どもの個性として捉えるのがこの国の教育方針のようです。

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自由度の高い学校生活が、のびのびした子どもを育てる!?

スウェーデンは学校のシステムが日本と違い、1歳から5歳までは「ダーギス(Dagis)」と呼ばれる保育園・幼稚園へ。その後「フォースコーラ(Förskola)」というプレスクールに1年間通います。プレスクールが終わると「グルンドスコーラ(Grundskola)」へ通いはじめます。「グルンドスコーラ」は7歳から16歳までと、日本でいうところの小学校と中学校が一緒になっているといえばわかりやすいかもしれません。
新年度は8月、2学期制で授業は月曜日から金曜日の週休二日制です。入学式は学校によってあったりなかったり。入学式がある場合も日本ほどかしこまったものではなく、親や先生、子どもたちの顔合わせ的なものだそうです。夏休みは6月中旬から8月中旬までと2ヶ月近くもあり、その他クリスマスや秋休み、スポーツ休暇、イースター休暇と、とにかく休みが多いスウェーデン。授業日数は年間約180日で、日本の約200日と比べると少なめになっています。

スウェーデンでは子どもの教育にお金がかからないことはよく知られていますが、学校給食も無料、また筆記用具や教材もすべて学校から支給されます。学校には子どもひとりひとりにロッカーが用意されており、教科書や文具はすべて置いていけるようになっています。そのため、宿題がない日は手ぶらで登下校をする子どもたちがたくさん。日本ではまず見かけない光景かもしれません。宿題について日本人の母親たちがよく口にしていることは、宿題はあるものの日本と比べると少ないということです。けれど、親が宿題をみてあげるというところは日本と変わりません。

スウェーデンは女性の社会進出が進んでいるため、共働きの家庭がほとんど。そのため学校が終わる14時以降には学童があります。親が仕事を終えて迎えにくるまでの間、9歳までの子どもはそれぞれお絵描き、アイロンビーズ、マット織り、サッカー、自転車、フロアーボール、ダンスなど好きなことをして過ごします。9歳以上の子どもは習い事に通ったり、友人と公園や家で遊んだりしているようです。

日本との違いといえば塾がないこと、また送り迎えの時間に母親だけではなく、たくさんの父親もきていることでしょうか。スウェーデンは男女平等が徹底されており女性も仕事をしているため、家事や育児は夫婦同等でやることが一般的。そのため父親も送り迎えをすることは当然とされています。

家庭でのしつけはスウェーデン人の両親に聞くとそれなりにしているというものの、日本人からするとスウェーデン人のしつけはゆるいと感じます。この国では子どもが間違ったことをしたとき、怒るのではなく話し合いをもつのが一般的。個の意思を尊重するという意味で、子どもでも1人の人間としてきちんと話し合い、何が間違っていたのかを理解させることが重要なよう。でも現実は、やっぱり子どもなのできちんと理解できる子どもばかりではなく、気がついたら怒られたことがない甘やかされた子どもに...といった場合も。そういった意味で日本人からするとしつけが甘いと思うのかもしれません。

しつけにはゆるいところもありつつ、甘いものにとても厳しい一面があるスウェーデン。学校にはおやつを持参するところも多いですが、フルーツかパンと決まっているそう。お菓子や甘いパン、ジュースは禁止されています。家庭でもお菓子を食べたりジュースを飲んでいいのは、昔から土曜日だけと決められています。

通学スタイルや学校生活も自由度が高く、そして小さな子どもでもその子の意思を尊重して考えや意見を聞くというスウェーデンのスタイル。そんな風潮が、のびのびとした性格の自立した子どもたちを育てているのかもしれません。

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大迫美樹Miki Osako

東京でのアパレル会社勤務、広告制作会社勤務を経て、2007年よりスウェーデンのストックホルムへ移住。2012年より雑誌や広告、日本企業の仕事を中心にコーディネーター、ライターとして活動中。また、スウェディッシュライフの情報を届けるウェブサイト「KOKEMOMO Sweden」も運営中。
Photo by Keiko Karlsson, Gustav Karlsson Frost

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