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入学式の必須アイテム、シュールテューテ入学式の必須アイテム
シュールテューテ

ドイツの入学・進学シーズンといえば夏休みを終えた後の秋。とはいえ州や学校によって時期に開きがあり、秋といっても8月初頭から9月初頭の間のどこかで、となります。この時期になると、いつもより少しドレスアップした新入生たちが、シュールテューテ(シュール=学校、テューテ=袋)と呼ばれる彼らの身長の半分以上にもなる円錐形の大きなオブジェを抱えて、誇らしげな様子で父兄とともに入学式へ向かう姿が街中で見られます。

このシュールテューテは、入学式までに各家庭でスクールバッグや筆記用具、スポーツバッグ、水筒などの必需品とともに購入し、親が学用品や子供の好きなお菓子などを詰めておくもの。入学式当日の朝、人生の新たな章を迎える我が子にプレゼントするのです。シュールテューテの発祥は何と1810年頃(!)のザクセン州で、不安でいっぱいの新入生達の緊張を和らげるためのものとして始められたのだとか。いまではドイツ全土の入学式で、決して欠かすことのできない風物詩になりました。

ドイツでは小学校の入学式が一世一代のイベントで、両親や祖父母以外にも親戚中が集まることも(学校によっては一家族4名まで、といった制限がある場合も)。入学式では、在校生の歌の披露があったり新入生の歓迎ムードに溢れていてとても感動的です。シュールテューテを手にお友達と写真に写っている、プレンツラウアーベルク地区の小学校に通うユナちゃんの入学式では、鈴がぶら下がったアーチがステージ横に設置されていたのだとか。校長先生が「この鈴を鳴らしてアーチをくぐったら、君も小学生だよ」と伝えた後に一人ずつ名前が呼ばれ、大きなスクールバッグを背負った新一年生がトコトコと門をくぐって行く……、という思わずジーンとするような演出があったのだそうです。入学式の後はレストランで家族総出の食事会の様子が見られ、これもこの時期には欠かせない風物詩となっています。

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自分の意思が尊重される、ドイツの小学校生活自分の意思が尊重される、
ドイツの小学校生活

学校生活が始まったら、毎日スクールバッグを背負って登校します。ランドセルのような規定のものはなく、小学校通学用に推奨されている店頭で販売されているバッグを使用するケースがほとんどです。スクールバッグには筆箱、教科書やノート、そして水筒や果物などを入れるスナック用の容器などが入っています。体育のある日はスポーツバッグも必須。サイズやスタイルは個人の自由ですが、たいていが通学用バッグとセットで販売されているので、それを使用する場合がほとんどです。

こちらの学校生活では、日本の教育現場で見られるような規律の大切さや集団活動をプッシュする風潮はあまり見られず、それよりも若い年齢から個人の意思がより尊重されています。ただ、それをよい側面と捉えられる反面、例えば給食の時間にマナーや残さず食べるといった教師からの指導が見られない、という個人の尊重が裏目に出ている場合も。そんな給食はケータリング会社の人がとり分け、各自テーブルに座って食べます。ほとんどの場合、ベジタリアンまたはノンベジタリアンの2種類が用意されていて、各自で選べるようになっています。

学童システムが充実しているドイツでは、放課後は学童もしくは習い事へ行くのがほとんど。14時にまっすぐ帰宅する生徒はあまりいません。日本と同様、習い事のバリエーションはさまざまで、それぞれ興味のあることや向いていると思う習い事を親が提案したり、子供自身が選びます。また、日本にあるような塾は存在しません。それに近い施設およびサービスは校内外にありますが、学力向上目的ではなく補習目的という点が日本とは大きく異なります。

今日ベルリンは今では大都市に発展し、様々な人種が混じり合いながら、ユニークさとリベラルさを現在も失わない唯一無二の街となりました。たくさんのスペースが広がるこの街で学んで遊ぶ子供たちに「このベルリン特有の自由な空気を感じながら、沢山の事を経験してそれを生かして大きくなってね」と約2年後に小学生となる息子にも思いを馳せつつ強く願う私です。

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渡部明子Akiko Watanabe

ライター/コーディネーター
学生時代にロンドンに移り住み、2000年からベルリン在住。
2012年に息子を出産。

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